ニューヨークの就任式で持ち込み禁止になったFlipper Zero。実際に何ができる?

Illustration of a hooded cat holding a yellow device beneath wireless symbols.

ニューヨーク市の2026年の就任式では、持ち込み禁止品のリストに妙な顔ぶれがあった。Flipper Zeroだ。イルカのマスコットがいるポケットサイズの機器が、Raspberry Pi、ドローン、傘、武器や爆発物と並んでいた。

イルカが爆発物と同じ安全確認リストに載るのは、ネット向けの話題としては最高だ。技術的な評価としては、あまり役に立たない。Flipper Zeroは万能のハッキング魔法の杖でも、完全に無害なおもちゃでもない。何ができるかは、相手のシステムによる。

ニューヨークが実際に禁止したもの

市の就任式の公式チェックリストは、Flipper ZeroとRaspberry Piを明記している。これはイベントでの制限であり、市全域で両機器の所有を禁止するものではなかった。

文書には機器ごとの説明はない。椅子、毛布、大きなバッグも除外されている。同じリストにあるからといって、主催者がすべてを同じ危険度と考えたとは限らない。折り畳み椅子に爆発物処理班は必要ない。

なぜこのコンピューターが名指しされたのかと問うのは妥当だ。ただ、主催者に安全上の理由が一切なかったと断定するのは、確認できる証拠を超えている。リストから分かるのはルールであって、その理由ではない。

小さなイルカに実際できること

Flipper Zeroのハードウェアは、サブGHz無線、赤外線、低周波RFID、NFC、iButton接点、Bluetooth、拡張ピンなどを一台にまとめている。そのため、入退室管理や身近な電子機器の仕組みを調べるのに役立つ。

家庭で魅力的なのは、かなり普通の使い方だ。自分のタグで実験する、赤外線リモコンの命令を整理する、アクセス用トークンがどの技術を使うか学ぶ。謎めいたプラスチックのキーホルダーが、理解できるプロトコルになる瞬間には満足感がある。イルカは冒険し、こちらは電子工学を学ぶ。

FlipperのNFC文書には、対応するカードの読み取り、保存、エミュレーションが説明されている。「対応する」は重要な言葉だ。カードの識別子を読めても、保護された内容をすべて読めるとは限らない。その識別子を持っていても、読み取り機が模倣を受け入れる保証はない。

広告

ホテルのカード、会社の入館証、交通機関のパスは似て見えても、認証方式が大きく異なる場合がある。「カードキーをコピーできる」は、そのカードについて詳しく問う出発点であって、すべてのドアが開くという約束ではない。

銀行カードや車はテレビのリモコンではない

テレビは同じ赤外線命令を何度でも受け入れられる。安全な決済システムは、もっと厳しい処理をする設計になっている。EMVCoによる決済の安全性の説明は、支払いの認証に使う取引ごとの暗号コードを解説している。

そのため、非接触型銀行カードから一部の情報を読み取っても、任意の新しいEMV取引を承認できる実用的な複製にはならない。決済詐欺が起きないという保証ではない。広まっている「他人の財布に近づけて銀行カードをコピーする」という話が、重要な部分を飛ばしている理由だ。

車についても同様に慎重な説明が必要だ。固定コードのリモコンに対する単純な記録・再送の手法が、受け入れるメッセージが変わる、正しく実装されたローリングコード方式にも自動的に通用するわけではない。

ただし、「ローリングコード」も無敵を保証する魔法の証明書ではない。Flipperの創設者は車のハッキングに関する主張への2025年8月の回答で、古いKeeLoqの弱点や流出したメーカー鍵について述べた。一部の遠隔施錠システムへの攻撃とエンジンの始動を区別し、専用のリレー機器は別種のハードウェアだと強調している。

メーカーには当然、自社製品を擁護する利害がある。それでも区別は有用だ。一台の車で一つの操作を実演できても、あらゆる車を盗める証拠にはならない。一方、新しい年式というだけで、すべての部品が安全とも言えない。

Wi-Fiの話には注釈が必要

標準の本体にはWi-Fi無線が内蔵されていない。単体でできることは限られるが、拡張端子は理由があって付いている。Flipperは別売りのWi-Fi Developer Boardも案内している。

アクセサリーやファームウェアによって構成は変わる。追加機器を使った動画は、本体だけの能力を示しているわけではない。非公式ソフトを入れても、すべての用途が自動的に合法で安全になるわけでもない。

ここで、過剰な恐怖もファンクラブ的な擁護も役に立たなくなる。「何でもハックできる」と「絶対に問題を起こせない」は、どんな機器、ソフト、対象システムが関わるのかを問う代わりにはならない。

カナダでの議論は2024年

カナダ政府の2024年2月8日の自動車盗難に関する発表は、車へのアクセス信号の複製に関係するとした機器を禁止する方法の検討を提案し、Flipper Zeroを明記した。

その後の無線通信に関する意見募集では、制限と正当な利用への影響が検討された。「カナダは2023年にイルカを禁止した」という話より複雑な政策議論だ。発表、意見募集、実施された禁止措置は、それぞれ別のものだ。

安全性について得られる教訓

弱いアクセス制御を調べやすくする道具は、研究者に役立つと同時に、別の人に悪用される可能性もある。文書の公開は悪用をなくさず、悪用があるからといって正当な用途が消えるわけでもない。

建物の管理者にとって有益な問いは、アクセスシステムが資格情報を安全に認証しているか、紛失した資格情報をどう失効させるかだ。愛好家にとっては、自分の所有機器か、テストを許可された機器で実験しているかである。どちらの答えも、画面のアニメーションのかわいさには左右されない。

就任式での禁止は印象的な見出しになる。より興味深いのは、持ち歩く機器、そのプロトコル、そこに寄せる信頼の間にある隔たりだ。それを真剣に考えても、イルカのかわいさは失われない。

2026-03-28公開の英語版の記事を日本語に翻訳しました。翻訳日:2026年10月30日。翻訳にはAIを使用し、記事内の時点は原文に合わせています。

広告
この記事を共有