1998年、台北市士林区の芝山駅近くに、小さな店が開きました。部屋に猫を迎え、一緒に座って過ごしたい人たちに飲み物を出す店です。名前はCat Flower Garden。その24年後、2022年6月に、現存する最古の猫カフェとしてギネス世界記録に認定されました。眠るトラ猫でいっぱいの日本の何百もの部屋、ベスナル・グリーンの予約待ち、換気設備を分けたアメリカの譲渡ラウンジ。その後の歴史の多くは、台北のこの出発点につながっています。猫カフェはいまや、営業許可の制度も動物福祉の研究も業界メディアもある、世界的な業態です。始まりの一室が差し出したのは、猫を自宅で飼わなくても一緒に過ごせる、という簡単な可能性でした。
目次
- 始まりは台北。最初の店は今も営業中
- 日本で身近になった猫カフェ
- 午後8時のルールと日本の規制
- 西への長い道のり:サンクトペテルブルク、ウィーン、ロンドン
- 北米が変えたビジネスモデル
- 猫と飲食を分ける店が多い理由
- 猫自身について研究が示すこと
- よくある質問
- このアイデアはどこまで来たのか
始まりは台北。最初の店は今も営業中
Cat Flower Gardenは、Kitten Gardenとも表記され、現在は犬も含む名前で営業しています。台北で開業したのは1998年です。2022年6月9日付のギネス世界記録の項目には、確認時点の動物たちが記されています。猫12匹、犬2匹、鳥1羽。猫は客に近づいたり、テーブルに飛び乗ったりできます。メニューには人間の食べ物と並んで猫のおやつがあり、部屋には猫の本が置かれています。
考え方は、拍子抜けするほど単純です。その単純さが魅力の理由でもあるのでしょう。払うのはコーヒー代だけではありません。自分を好きになる義務のない動物の、近くにいるためのお金です。日本とのつながりも、きれいにまとまった起源の話だけではありません。東京の「ねこのみせ」は、Cat Flower Gardenから着想を得たと明記しています。猫と過ごす居間は、別の場所でも試す価値のあるアイデアでした。
日本で身近になった猫カフェ
日本初の猫カフェ、「猫の時間」は、2004年に大阪で開業しました。2005年には東京・町田の「ねこのみせ」が続きます。名前はそれぞれ、文字どおり猫の時間と猫の店。どちらも、人間の客が主導権を握るとは言っていません。この形式は日本の都市生活でおなじみになり、その間も台湾やほかの地域で発展を続けました。
住まいの問題
ペット不可の住まいに暮らす人にとって、猫と共有できる部屋の魅力は明らかです。限られた広さ、賃貸条件、仕事の時間、迎えた後の長期的な責任。どれも動物を飼うことを難しくしえます。「ねこのみせ」は、猫が自分のペースで動く居間を共有する体験として説明しています。時間制の訪問と飼い主の責任を混同せずに、その同席を楽しむことはできます。
だから猫カフェは、内装がちょっと変わった喫茶店以上に、目的のはっきりした場所です。自宅では得られないかもしれない体験を提供します。猫を迎えることを考えている客もいれば、単に動物の近くにいるのが好きな客もいます。マグカップを持つ全員に、同じ都会の孤独の物語を割り当てる必要はありません。
目玉の存在から無視されるかもしれない1時間に、お金を払う。それには独特の魅力があります。猫は猫のままでいられ、客は期待のほうを調整するわけです。聞き慣れた音にも背景が必要です。ゴロゴロ音の働き(英語)についての記事では、それがいつでも満足の証明書になるわけではない理由を説明しています。
午後8時のルールと日本の規制
規模が広がると、目も厳しくなりました。日本は2012年、動物取扱業者による夜間の犬猫の展示を、原則として午後8時から午前8時まで制限しました。ペットショップなどにも適用される規則に、猫カフェも含まれました。環境省での措置の検討記録には、休息場所へ自由に移動できる成猫について、影響を調べる間は午後10時まで展示を認める暫定的な例外が記されています。
2016年の規制に関する議論では、延長時間に関する重要な条件が示されました。1歳以上であること、休める場所へ自由に行けること、1日の展示時間が12時間を超えないことです。11歳を目安に、高齢猫の健康に配慮した扱いも検討されました。省が検討した研究では、調査条件の下で、終了時刻の異なる群の間に有意なストレス差は見られませんでした。これは、どの店のどの猫にとっても夜遅くまでの営業が無害だと言うより、ずっと限定された話です。
猫の接客シフトの上限について規制上の議論がある。考えてみるとなかなかのことです。最も大切なのは、その場を離れる選択肢でしょう。客全員の注意を受け止め続けるのではなく、猫自身が交流から抜けられるなら、遅くまで開けることの意味も変わります。
西への長い道のり:サンクトペテルブルク、ウィーン、ロンドン
サンクトペテルブルクのCats Republicは、2011年開業とし、自らをヨーロッパ初の猫カフェと紹介しています。ウィーンのCafe Nekoは2012年に続き、ほかの都市でも独自の店が生まれました。後にロンドンが大きな注目を集めますが、欧州の物語はすでに別の場所で始まっていました。
Lady Dinah’sは二度開いた
ローレン・ピアーズはクラウドファンディングを使ってLady Dinah’s Cat Emporiumを立ち上げ、2014年にベスナル・グリーンで開業しました。訪問の予約自体がイベントになりました。魅力はわかりやすいものです。いかにも英国らしいカフェ体験に、接客のどこまでを自分が引き受けるか決める猫たちがいるのです。
ベスナル・グリーンの店は、財政的な圧迫の中で2025年に閉店しました。マネージャーのFreyja Hides-Westwoodが資金集めを主導し、さらに投資家が加わったことで、新たな場所での再開が可能になりました。再開を伝える報道によれば、2026年4月11日、グリニッジのKing William Walk 29〜30番地で営業を再開しています。地域の支援と、事業を組み直す実務があってこその新章でした。
閉店と再開は、心地よい一室の裏にどれだけ費用があるかを示します。家賃、人件費、飲食提供、獣医療、猫に適した居場所。愛着は客を呼び戻しても、請求書を消してはくれません。この例では支援者が再出発の費用を支えました。愛着がコメント欄の感情だけでなく、実際に使える力になったのです。
北米が変えたビジネスモデル
アメリカで早くから目立った例は、期間限定の販促イベントでした。Purina ONEは、2014年4月24〜27日にニューヨークで猫カフェを開くと発表し、North Shore Animal League Americaと協力しました。猫たちは譲渡対象でした。一時的なプロモーションでしたが、里親探しを中心に据えた形を広く知られるものにしました。
モントリオールのLe Cafe des Chatsは2014年8月に開店し、北米で最初期の常設店の一つとなりました。オークランドではCat Townが2014年10月25日にカフェを開き、米国初の常設例として広く認められています。開業日の報道が描いたのは、ペットを飾りとして迎えた普通のカフェではなく、コーヒーカウンターを併設した保護活動でした。
Cat Townと、このモデルを支える数字
Cat Townは2011年に保護団体として始まりました。10周年の振り返りでは、通常のシェルター環境で苦労する猫や、時間をかけた社会化を必要とする猫を助けてきたことが語られています。特定の年の実績としては、2023年の譲渡報告に463件とあり、2015年の458件という年間最多記録を上回りました。これは団体全体の保護活動の成果であって、コーヒーを出すだけで街のシェルター統計が変わる証明ではありません。
考え方はわかりやすいものです。ケージでおびえる猫は、いつもの性格を来訪者にほとんど見せられないかもしれません。より適した部屋なら、落ち着く空間と、互いを知る時間が生まれます。譲渡を保証するものでも、すべての猫に合うものでもありませんが、出会いにもう一度機会を与えます。大切な区別は、常住の猫がいる店か、譲渡を目指す店かです。アジアと西洋を完全に二分する話ではありません。
猫と飲食を分ける店が多い理由
多くの猫カフェは、飲食カウンターと猫のラウンジを別の空間に置きます。衛生管理、入退室の管理、脱走防止に役立つ配置です。ただし具体的な形は建物と地域のルール次第。すべての店が従う世界共通の二部屋設計図はありません。
米国では、FDAのFood Codeは各管轄地域が採用できるモデルであって、自動的に全国を拘束する猫カフェ営業許可ではありません。6-501.115節は、特定の例外を除き、食品取扱施設への生きた動物の立ち入りを原則として認めていません。どの規則を適用し、計画された営業の各活動をどう分けるかは、地域の当局が判断します。だから運営者に必要なのは、別の街からコピーした間取りではなく、その地域での答えなのです。
飲食の内容を簡素にする店もあれば、適切に分離した部門で本格的な飲食を提供する店もあります。独立した換気設備や特定の壁、出入口の配置が、個別の許可では重要になる場合もありますが、それをFDAの普遍的な条件と紹介すべきではありません。眠そうな猫と一杯のコーヒーの裏に、意外なほどの計画がある。それもこの業態の物語です。
猫自身について研究が示すこと
2025年にAnimals誌に掲載された研究は、ストックホルムの一つのカフェで、譲渡対象の猫27匹を観察しました。8〜9匹の入れ替わる群を、70日間に計227時間観察したものです。一つの環境を調べた研究であって、この形式全体への世界的な判定ではありません。
猫は客用ラウンジと、猫専用の私室の両方を使っていました。客の人数が多いと、高い場所や私的な空間の利用が増える関連が見られました。人への反応は猫ごとに異なり、近づくことも離れることもできる重要性が浮かびます。
著者らは、上下に移動できる構造、隠れ場所、客が入れない区域を勧めています。一方で、調査環境、パンデミックに伴う変化、観察の信頼性の限界により、一般化には制約があると注意しています。棚は役立ちますが、配置だけで福祉が保証されると示した研究ではありません。猫が高い場所を探る姿(英語)を知っていれば、その魅力の一部は想像できるでしょう。
よくある質問
最初の猫カフェはどこにありましたか?
1998年の台湾・台北です。士林区のCat Flower Gardenは、2022年6月9日に確認された、現存する最古の猫カフェのギネス世界記録を持っています。日本初の大阪「猫の時間」が開いたのは、2004年でした。
猫カフェでは何か買わなければいけませんか?
通常は入場料、時間制料金、最低注文額、またはそれらの組み合わせがあります。料金や仕組みは店ごとに異なります。予約に何が含まれるか確認しましょう。猫が膝に座ってくれる保証は、おそらく含まれていません。
猫カフェの猫を引き取れますか?
店によります。常住の猫を飼う店もあれば、保護団体と協力して新しい家庭を探す店もあります。保護された猫だからといって、必ず譲渡対象とは限りません。国から推測するのではなく、店自身の方針を確認してください。
猫にストレスはかかりませんか?
かかる場合はあり、反応には個体差があります。ストックホルムの研究は、猫が来訪者から離れられる方法を設けることを支持していますが、すべての店を安全、あるいはストレスの多い場所と認定するものではありません。適切な世話、空間、接し方のルール、接触を避ける動物の意思を尊重することが大切です。
猫用の部屋を分けるのはなぜですか?
飲食提供と動物との交流を適切に分離し、出入りや脱走を管理するためであることが多いです。必要な配置は、地域の食品営業や動物取扱業の規則によって変わります。二部屋と独立換気という組み合わせが、世界共通の法的な公式というわけではありません。
このアイデアはどこまで来たのか
この形式は、もはや解釈が一つだけの珍しい店ではありません。台北の最初の一室、日本の常住猫のいる空間、Cat Townのような譲渡事業は、もてなしと動物の世話を組み合わせる複数の方法を示しています。訪れる人にとっては、世界の店舗数を数えるより、その店が暮らしている猫のために何をしているかを知るほうが役に立ちます。
驚くのは、元の形を壊さずに、ここまで遠くへ変化してきたことです。小さな住まいの人のための台北の一室が、展示時間のルールを持つ日本の都市の息抜きになり、英国のクラウドファンディングの対象になり、米国では保護と譲渡の場になりました。同じ猫、同じ部屋で、違う必要に応えています。猫はいつものように何も手伝わず、手柄を全部持っていきました。その才能については、人間が猫に意味を読み込んできた長い歴史(英語)と、インターネットが猫を手にした後の話(英語)をどうぞ。そしてカフェの段階を丸ごと飛ばし、街路を猫に渡してしまった都市なら、イスタンブール(英語)があります。
1998年に士林で始まったアイデアは、接客業ではめったにないほど、ほかの場所へ持っていけるものでした。部屋に猫を迎え、滞在時間に料金をつける。すると周囲の文化が、その部屋の役割を決めます。東京では住宅事情からの息抜き。オークランドでは譲渡への道。グリニッジでは支援者が資金を出した地域の財産です。猫はその間ずっと寝ています。それこそ正しい反応であり、モデルが機能する理由でもあるのでしょう。誰も芸をする必要がなく、誰も誰かに何かを負う必要がなく、棚の上の動物には降りてくる義務がないのです。
2026-08-07公開の英語版の記事を日本語に翻訳しました。翻訳日:2026年10月30日。翻訳にはAIを使用し、記事内の時点は原文に合わせています。




